高校教育について②
2016/11/18
その為にわれわれは「そのひとにとって難易度の高い」問題を与えます。少し頑張れば超えられそうな壁を与え続け、その超えてきた経験がやる気になり、自信になり、テストの点になります。
高ければ高い壁の方が登ったとき、気持ちいい。そうです、終わりなき旅です。実際気持ちいいとは思いますが、まずはちょっと自分の身長より高い壁から始めましょう。「ああ、高くて無理!!」となにも挑戦せずに諦める経験を積んで欲しくないのです。
さて、前回の記事の続きです。長くなりそうです。
まず、勉強不足を謝りたい点があります。文科省は高校教育に対し際だった行動を起こしていないとリサーチ結果を述べましたが、文科省は高校に直接的な行動を起こしていないだけで、高校教育に対しある大きな試みをしようとしていました。それは大学入試改革です。
大学入試が変われば高校教育は変わらざるを得ない。それは事実です。つまり、文科省は高校教育を変えるために、そのゴールに手を加えようとしています。ゴール自体を変えることはとても労力がいります。教育界に大きな石を投じている文科省の試みを見過ごし、なにもしていないように書いてしまったことを謝ります。
簡潔にいきます。
前回は公立高校と私立高校のこれからについて展望し、これからどうなるのだろうか、また、公立高校、私立高校に通う生徒像とはなにか、について書くことを予告しました。
これから高校生は、公立・私立に限らずある能力が求められるようになります。それは、大きく述べるなら、inputする力・考える力・outputする力です。つまり学校はそれを鍛える授業と指導をしていくはずです。
一回話を飛ばして、公立高校、私立高校に通う生徒像に関してです。
公立高校では徹底的な個別指導はしません。それよりかは、部活動との両立を目指した指導をすると思われます。文武両道という理念を説き、特定の生徒への偏った指導がないよう公平を意識しているのではないかという推測です。部活に力を入れたい、しかし進学も疎かにしたくないという生徒は公立向きでしょう。かくいう私もその一人としてサッカーに明け暮れ、ほどほどに勉強をしていました。
私立高校は、その子の能力・進度に合わせ個別の指導を行います。なので、コース分けや特待制度などは当たり前。それもそのはずで、私立高校は企業体なので限られた資源から最大限の結果を導き出さなくてはなりません。生徒の満足度や十分な進路成果が出さなければ、利益が下がり会社の存続の危機がうまれます。生徒の意志とwin-winの関係が築ければ、最高の結果が待っているしょう。しかし、勉強を期待されていたら部活動の時間は奪われますし、部活動で期待されていたら勉強はそれほど教わりません。
まとめると、
公立高校:文武両道、総合力を養う。
自立した生徒が生まれやすい(指導者と接する時間が短い)
私立高校:一点集中型、結果のために特化した能力を得る。
落ちこぼれる生徒が少ない。なにか特定の一分野を頑張る力がつきやすい
このような情報を入手し整理し考えて、子どもは、また保護者は、第一志望を決めるべきだと私は思います。第一志望を決めないと、日々の勉強に身が入らないことはみな身に覚えがあることでしょう。
最後になりますが、これから大学入試改革で求められる能力が、公立・私立どちらでより身につくのか。それはまだわかりません、これからの進学率などの結果を踏まえないと未知数な部分です。なぜなら公立も私立もそれぞれにいい点がある。
ただ、ひとつだけ言えることは、塾はそれぞれのいいところを吸収してよりよい学びの場をつくっていかなければいけない、ということです。